G先生の特別支援教室

ブログ初心者です。

#13 音読1

こんにちは。

 

特別支援教室教員のGです。

ブログ開始から12日連続で更新できていましたが、

ついに一昨日途絶えてしまいました。

ノロウイルスにかかって画面をみることすらできませんでした。

 

さて、そんな二日空けてしまい、ようやく画面を見ることができるようになった

今日は、SST以外で活動に取り入れている

”音読”についてお話します。

 

ネットで検索してみると音読の効果は既に様々なところで言われていますね。

 

しかし、特別支援教室は読むことが難しい子も多くいらっしゃるかと思います。

 

場面緘黙の場合は出せる声でいいです。

LDの要因の一つである衝動性眼球運動が弱い子には文を目で追って読むことは

困難かと思われます。

まずは、”追い読み”を行います。

これは読むというよりも教員の言ったことを復唱するようなものです。

衝動性眼球運動が弱いと、文(文字)と音声がチャンクに出来ないため、

読むことが困難なのです。

まずは1行ずつ(または2行ずつ)、教員の言った言葉を復唱します。

文と音声をチャンクにするとともに、教員と同じリズムで読むことを

意識させることで非言語的コミュニケーションのひとつ、参照能力も

鍛えることができます。

また、リズム力を養うという事はコーディネーション能力というものを

向上させることにもつながりますので、前頭葉へのいい刺激になります。

目で追うのがやっとで言葉で発することができない子には目をつぶって

追い読みさせるなど視覚情報をなくしてもいいかもしれません。

ここである程度すらすら読めるまでにします。

 

続いて”交代読み”です。

1行ずつ(または2行ずつ)教員と子どもで交互に読みます。

詩の流れは追い読みで耳から入っているため、初見で読むのに比べて

だいぶ読むハードルは下がっています。

しかし、追い読みと違ってモデルが直前にあるわけではないため、

ここで間違えてしまう子も出てくるかと思います。

まわりも同じところを読んでいるため、できるだけ気にさせないように

流していきましょう。

それでも気になって表情が曇る児童がいるようなら

「ここのところって難しいね、上手に読める人いる?」

「すごいね。じゃあみんなで言ってみよう。~~(その行)さんはい。」

という風に難しいところだから間違えても恥ずかしいことじゃないんだよ、

みんなで練習したら怖くないよ、

ということを伝え続けていきます。

もちろんこの方法が逆効果になる子もいるのでその子にあったフォローを

してあげてください。

 

”まるで一人が読んでいるかのように読む”ということを目標に行い、

行と行の間や一定のリズムを意識させ、非言語的コミュニケーションを

鍛えていきます。

今回はすべての行を一人で読むわけではないため、他の人が読んでいるときに

文を目で追わなければいけません。

難しい子に対しては指で次読む行を示してあげるなどして、

まわりと同じ活動ができるよう配慮していきましょう。

 

 続いては”たけのこ読み”というものを行います。

これは読みたい行を自分で選んで読む、というものです。

「全員起立。読む行を2行選びます。終わったら座ります。」

全員が読む行が決まったら確認しましょう。

誰も読まない行は教員が読みます。

 

読むときだけ立ちます。

いろんなところでにょきにょきと立ったり座ったりするのが

たけのこのように見えるため、そういわれているそうです。

 

ここでは自分が読む行を覚えていなければいけません。

さらに他の人が読んでいるのを聞いてタイミングよく立たなければいけません。

ここにかなりのワーキングメモリ(作業記憶)を使います。

急にこの活動から始めてもできません。

追い読みで読むことができるようになり、

交代読みで目で文を追いながら読むことができるようになるという

過程を踏まえてのたけのこ読みです。

一番最後の行だけ全員で読むというルールの下で行っても、

最後ピタッとそろって楽しいかもしれません。

ちなみに私は音読を行う最初の週は時間をかけて追い読みを行うため、

たけのこ読みは行いません。

 

最後に”群読”です。

全員で揃えて読みます。

いろいろなリズムで読ませるといいです。

「1,2、さんはい!」

教員のこの言葉のリズムに合わせて読ませます。

教員に注目していないと合わせられません。

出来ることなら

「このリズムにあわせていくよぉ」

などという声掛けはなしのほうがいいです。

自分たちで考えさせます。

こうすることで、子どもたちを知的に育てることもできます。

 

順番としては、

普通→速い→ゆっくり→普通

がおすすめです。

速い→ゆっくり

は抑制の苦手な子どもにはとても難しいのです。

しかし、最初にこちらがリズムをとるなど配慮をしてあげれば 、

徐々にできるようになってくるのです。

これが抑制機能を鍛えているという事です。

これができると、突発的な行動やぽっと不適切な発言をしてしまうということが

ほんの少しは減るかと思います。すぐに手が出てしまう子が少し

我慢できるようになったという話も聞きます。

もちろん子ども一人ひとり違うため、効果もそれぞれです。

 

 

毎回同じ詩を音読していたら子どもたちも飽きてしまいます。

 私は3回で一つの詩として行っています。

 

3回目最後の週には暗唱テストを行います。 

必ずテストがある。

児童たちはそれを頭の隅に感じながら音読できます。

声に出しながら読むことで文章を自分の耳から取り入れることができ、

聴覚のワーキングメモリ(音韻ループ)を鍛えることができます。

読み障害児は音韻ループが弱いと言われているため、効果的です。

声に出していう事で耳から覚えることができるということを意識させて覚えさせます。

前で教員の前で暗唱するということはとても緊張します。

失敗しても何度でも挑戦できるというところが肝です。

必ず全員合格させましょう。 

不安が強くて難しい子がいた場合は一緒に言ってあげたり、

行のはじめの文字だけ見せてあげて不安を取り除いてあげましょう。

合格できた時は子供たちはみんなガッツポーズをします。

ほっとする子もいます。

この達成感が彼らの自己肯定感を高めることにもつながります。

 

 

細かなポイントについてはまた次回…

 

それでは…

 

G