#20 聞き取り
こんばんは。
特別支援教室教員Gです。
本日は”聞き取り”という活動についてお話します。
聞き取りという活動は主に2種類行っています。
・聴写 聴きながら写す
・記憶 すべて聞いてから写す
毎回両方やっていたらとてもじゃないですが、時間が足りませんので、
月ごとなどで変えています。
・聴写
聴覚のワーキングメモリ(音韻ループ)と耳と手の協応動作を鍛える活動です。
数字→単語→文章
という順に難易度を上げていくといいでしょう。
以前お話した視写という活動でも数字が一番書きやすいようでした。
残念ながらなぜ数字が一番かというのは憶測でしかお話できないため、
割愛させていただきます。
難易度の調整は言う速さでできます。
ぎりぎりついてこられる速さで言うと子供の脳が活性化されて鍛えられていきます。
・記憶
「先生が”はじめ”と言ったら鉛筆を持ちます」
こう指示を出します。
これも数字→単語→文章
の順で難易度を上げられます。
こちらは音韻ループのみでなく、記憶領域のワーキングメモリを鍛えます。
聴いている間は基本ものを持たせてはいけません。
”持つ”という行為にワーキングメモリがとられてしまうからです。
センサリーグッズなど本人が感覚刺激を求めていて、
持っていないと不安という子であれば持っていたほうがいいです。
こちらも難易度の調整は言う速さなのですが、
記憶の場合はゆっくり言ったほうが難易度が高くなります。
単純な話、聴写はゆっくり言ってくれたら追いついて書けます。
記憶はゆっくり言われると覚えている時間が長くなるため、難しいのです。
どちらの活動にも共通なのですが、聞き取りは基本消しゴムを使いません。
鉛筆でぐちゃぐちゃと消して、次から書き始めていいのです。
理由は消すという行為にワーキングメモリを取られてしまうからです。
”鉛筆で斜線を引いて次から書く”
と言ってしまうとそこにこだわりを持って書けなくなる子が
出てくる可能性があるからです。
また、ひらがな、カタカナ、漢字、何で書いてもかまいません。
一番早く書ける方法で書くことを伝えます。
度忘れして書けない、ひらがなだとだるいということがなくなります。
ひらがなカタカナがごちゃごちゃに入っている子もいます。
きっとどちらかを度忘れしたのでしょう。
それでも〇にしてあげましょう。
特別支援教室にありがちなのは、教室での口頭の指示にめっぽう弱い子です。
聞き取りを通して、先生の指示を前より聴けるということが出てきました。
もちろん他の要素もあるとは思いますが、確実に聞き取りの成果もあがっています。
「先生の目を見て話を聞こうね」
「話は最後まで聞こうね」
という指導をしているところもあると思いますが、それだと
聞きながら他にワーキングメモリがとられて右から左に話が流れていってしまいます。
むしろできそうな子どもには、メモを取りながら聞くなどして
トレーニングするのもありかと思います。
いかがでしょうか。
細かな指示内容ややり方については時間の関係で中々乗せることができませんが、
いづれ機会があれば載せようと思います。
それでは…
G